大型測定機器用
フルオーダーパレット
大型で高額な測定機器などの産業用機械輸送には、専用パレットを丸ごと設計するケースも存在します。こうした専用仕様のパレットには様々なメリットも存在する反面、多くの産業用機械は生産台数が限られるため、金型を用いた専用の成型品を使用するとイニシャルコストが掛かり過ぎるというデメリットも存在します。今回は、輸出用に専用設計された成形品パレットからの切替提案事例をご紹介します。
現行品の梱包形態と問題点
現行成型品が供給停止に・・・イニシャルコストを抑えつつ、輸送先(海外)で分解処分できる仕様にしたい
今回は訳あって現行品の画像をお見せできませんが、専用成型品のパレットが供給停止となるため、代替品を至急準備されたい、とのお問合わせでした。輸出先の海外で廃棄を行うことや、クリーンルーム内での使用も想定されることなどから、断面からの粉塵が発生しにくい低発泡素材のボードを加工し、極力金属のネジやボルト類を省いた構造が望ましい…というご要望でした。
生出からの改善提案
低発泡ボード材で粉塵の発生を抑えつつ、
輸出先で解体可能な「組み木状」のオーダーパレットへ
今回フレームに用いたのは低発泡ボード素材「デュラウッド」。樹脂素材を2倍の体積に発泡させた板材で、軽さと耐久性を兼ね備え、また切削カスなどの発生も抑制できます。また、下図にご紹介するように、フレーム部分についてはビスや金具による固定、接着処理などを行わない仕様を採っており、輸出後の現地廃棄も容易であり、かつ、単一の素材(ポリエチレン)として再利用が可能です。
改善要素
設計技術担当者からのコメント
成型品からの切り替えということで、製品の受け部分や外形寸法は既製品のサイズをキープしつつ、荷重が集中してしまう四隅の強度を上げ、構造体として成立させる仕組みを両立させた設計ができ、結果的に良いご提案を差し上げることができました。