現行品の画像と問題点
緩衝材を、製品が埋もれそうな程
べったりと使用している
- 緩衝材をむやみに多用し、製品に触れる面積が大きくなると、落下などの際にかえって強烈な衝撃が伝わってしまう
- 必要以上の材料を使用しており、非常に高コスト
- 無駄な容積を含んでおり、輸送サイズ・コストがかさむ
実に1台あたり数百万〜数千万円もする測定機器類の輸送には、常に多大なリスクとコストが伴います。「たまたま壊れてしまった」が絶対に許されない、極度にシビアな輸送の世界。今回は、世界有数の測定器メーカー様からのハイレベルなご要望に取り組んだ貴重な事例をご紹介します。
緩衝材を、製品が埋もれそうな程
べったりと使用している
必要最小限の材料で
最大限の緩衝性能と強度を
ご覧の通り、緩衝材の使用量はばっさりと大幅に減らしながらも、大きな重量を支持する部分(いわゆる「受圧面」)の構造はしっかりと計算され、必要にして十分な製品保護性能を確保しています。緩衝材が製品を支持しきれなくなり、外装箱に激突する「底突き」や、強度不足による裂けなども十分に予防できる強度バランスに仕上げています。
改善提案後の落下試験データ。
ご提示条件の30Gを大きく下回る良好な結果となりました。
材料コストや緩衝性能の両立、作業性の向上など、お客様のご要望が複数にまたがるケースは多々あります。中には両立が非常に難しいケースもありますが、たいていの場合、それぞれをバランスよく仕上げることが可能です。現状のお困りごとは出来るだけ詳しくお伺いし、満足度の高い設計に落とし込むのが、包装設計の腕の見せ所です。