包装・物流用語集
「ダンボール」
読み方:だんぼーる
ダンボール(英: corrugated cardboard)は、多層構造で強靭に加工された板紙で、主に包装・梱包資材として使用されます。素材としての段ボールシートだけでなく、再加工された段ボール箱などの製品も含まれます。
・概要
ダンボールは、平らな紙(ライナー)と波状の紙(メディアム)が接着剤で貼り合わされて一つの構造体となったものです。ライナーやメディアムの数により、片面段ボール、両面段ボール、複両面段ボールに分類されます。
・歴史
段ボールは19世紀のイギリスでシルクハットの内側の汗を吸い取るために開発されました。包装資材としては、アメリカでガラス製品の包装に使用されたのが始まりです。日本では1909年にレンゴーの井上貞治郎と1910年に日本紙業の田島志一がアメリカから技術を取り入れて始まりました。
・段ボールシート
段ボールシートは、ライナーに波型に加工した中芯を貼り付け、さらに裏側にライナーで補強したものです。フルートと呼ばれる中芯の波形には、Aフルート、Bフルート、Cフルートなどがあります。段ボールシートの用途は製函、緩衝材、コンクリートパネルなど多岐にわたります。
・段ボール原紙
段ボール原紙はライナーと中芯に大別されます。ライナーはD、C、Kの紙質があり、古紙の含有率で区別されます。中芯は印刷されないためライナーよりも質が落ちます。
・段ボール箱
段ボール箱は、段ボールシートを素材とする箱で、軽さと強度、衝撃吸収性、折り畳みやすさから多くの分野で使用されます。特にA式(A形)は普及しており、蜜柑箱とも呼ばれます。
・段ボール製品
段ボールは包装容器として最も一般的に使用されますが、ピザの箱、家具、テントなどにも利用されます。吸音・遮音性もあり、手作りの防音部屋用素材としても使われます。
結論
ダンボールは、その多用途性と強度から多くの業界で重要な役割を果たしています。軽量でありながら強靭な性質とリサイクル可能な点も大きな利点です。