包装のコトども
2018.11.29
AIとヒトの物流事情
『トラック運送業、自動運転「大歓迎」 』
突然の大雪騒動の陰でひっそり流れたこんなニュース、
ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
実はなんとあの大雪の翌日、
新東名高速道路で、3台のトラックの隊列が、
部分的に自動制御された走行試験を行ったのです。
この隊列(プラトーン)走行技術、
もともとは省エネを狙いとして開発されたもの。
トラック同士の車間をつめることで、
空気抵抗を減らし、燃費を改善するのが当初の目的だったとか。
折しも物流業界の深刻な人手不足をうけ、
その対応策としてにわかに再注目された技術だといいます。
このご時勢、いやが上にも期待度は高まります。
…ちなみに、貨物運送業における人件費率は、
なんと40%にも達すると言われますので※、
「コストの4割を占める人件費が3分の1に!?」
などと短絡的な私は思わず大騒ぎしてしまいました。
しかし実際には、大型拠点間の高速道路輸送にのみ、
このシステムの導入が計画されているようで、
物流効率全体への寄与度は、意外と限定的なもののようです。
それにしても今回調べてみて興味深かったのは、
最新のAIをもってしても、大型トラックの車庫入れや、
離れ業のバックスラローム走行などは、
実現の目処さえ立っていないという厳然たる事実…
知的作業よりもむしろ、高度な身体的技術のなかに、
ヒトの高度な能力が潜んでいるのやも…と、
ヒトの持つポテンシャルの深さに、
改めて畏敬の念を抱いた次第です。
弊社は典型的なモノづくり企業ですが、
多様化・小ロット化する作業ラインでは、
やはりヒトの臨機応変さや段取り能力、
高度に訓練された手技がものをいう場面も多いのが実情。
今までとは異なる新たな仕事を理解し、習得するのに、
AIやロボットは膨大な数の試行錯誤を必要としますが、
熟練したヒトは、ものの数分で一定の再現性を獲得します。
やっぱり、ヒトもすごい!
願わくば、お互いの良さを活かしあうような、
明るい未来を模索したい所です。