包装のコトども
2019.01.22
生産性と包装業の「リアル」
ここ最近、テレビやインターネットでも何かと取り上げられる、
「日本の低すぎる生産性」というキーワード。
製造業に従事する身の上としては、とても気になるテーマです。
先日、あるビジネス誌のコラムで、
日本生産性本部の会長である茂木友三郎氏が、
この「生産性」について寄稿されていました。
『生産性は、産み出した付加価値を労働力で割れば算出できる。
ここですぐに、分母である労働力を減らすことに飛びついてはいけない。
今までになかった需要を掘りおこし、
分子である付加価値を大きくすることを同時に行わなければ、
ただの縮小均衡となり、余剰人員は失業してしまう(大意要約)』
思わずうーん、と唸ってしまいました。
生産性、と聞くと、つい労働効率ばかりを連想してしまいますが、
価値ある製品やサービスを同時に増大させていかなければ、
バランスが崩れてしまうのですね…
巷の言説を見ても、日本の労働効率の低さばかりを揶揄するようなものが多く、
この長期化するデフレや低迷する消費の真っただ中にあって、
「生産性の分子」であるGDP(付加価値)をなんとかして高めよう、
というポジティブな議論に至らないのが、とても残念です。
かく言う包装業界でも、とかくコストや効率性ばかりが優先されがちな昨今。
シンプルに、安く、という声が常に大多数を占めるのは事実です。
しかしその一方で、高い緩衝性や耐久性、
安全性、美粧性、そして環境性能など、
「モノの移動の現場における付加価値」を必要とされるお客様が、
確実に増加し続けていることもまた、まぎれもない『リアル』です。
そうしたお客様に、オンリーワンのモノやコトをお届けしてゆくこと、
そして、「生産性の分子 = 付加価値」を新たに生み出し続けること、
私たちはそうしたポジティブな企業を目指してまいります。